▲第4回-1987(昭和62)年〔日本新語・流行語大賞〕
◆マルサ〔流行語大賞'87〕
新語部門・金賞
受賞者:伊丹十三(映画監督)/宮本信子(女優)
国税査察官は、査察の査を○で囲った“マルサ”と通称される。映画「マルサの女」は女性査察官を主人公にして大ヒットした。土地投機、株高、財テクと、大企業から個人まで、マネーゲームに参加することが当たり前のような社会風潮の中、それができない庶民は、悪賢く儲ける人物を摘発するマルサに拍手喝采した。
◆JR〔流行語大賞'87〕
新語部門・銀賞
受賞者:杉浦喬也(日本国有鉄道清算事業団理事長)
この年4月1日、国鉄は115年の歴史に幕を降ろした。7つのJRに分割、民営鉄道会社として再スタートを切った。JRとは、国鉄時代のJNRからNationalのNを外しただけの呼称であるが、この単純さが受け、アッという間に世の中に認知された。
◆第二電電〔流行語大賞'87〕
新語部門・銅賞
受賞者:森山信吾(第二電電(株)社長)
電電公社が民営のNTTとして再生され、開放された電気通信事業には続々と新会社が参入した。その中で、ひときわ異色のネーミングで目をひいたのは「第二電電」。電電という古くさい言葉と、第二という表現は、まさに常識の裏をかいた新社名であった。安易なカタカナ社名が横行するなか、古さゆえに新しい新機軸が高く評価された。
◆サラダ記念日〔流行語大賞'87〕
新語部門・表現賞
受賞者:俵 万智(詩人)
短歌界の超大型新人・俵万智のデビュー歌集『サラダ記念日』は、短歌集としては異例の260万部という大ベストセラーとなった。口語体を自在に駆使した歌風は、短歌の世界を変えたばかりでなく、多くの短歌ファンを生み出した。また独特な語感は、短歌以外の言葉の世界にも大きな影響を与えた。「○○記念日」が各地で続々と誕生したのも、人気を物語るエピソードである。
◆朝シャン(モーニング・シャンプー)〔流行語大賞'87〕
新語部門・表現賞
受賞者:資生堂商事(株)セールス商品事業部
「朝シャン」とは、資生堂のCM“朝のシャンプー”というフレーズが高校生の間で簡略化されたもの。朝にシャンプーをしましょうという宣伝が、またたくまに女子高校生を中心に広まった。日本人の生活習慣にはなかった「朝シャン」は、一時のブームという見方も多かったが、この年から男性も含めた“清潔指向”現象として社会問題化する。
◆ノリサメ〔流行語大賞'87〕
新語部門・表現賞
受賞者:高田純次・兵藤ゆき(タレント)
ノッているかと思うとサメている、まったく新しいタイプの人物群を「ノリサメ族」と言う。前夜の宴会では盛り上がるが、翌朝はサメきって知らん顔。上司にしてみれば、本音の見えない、扱いにくい新人と言える。受賞者は、そういうノリサメを演技として巧妙に演じられるタレントとして評価された。
◆懲りない○○〔流行語大賞'87〕
流行語部門・金賞
受賞者:安部譲二
安部譲二の『塀の中の懲りない面々』は、刑務所という特異なモチーフと登場するユニークな人物群によりベストセラーとなった。この題名に触発されたわけではないのだろうが、この年も多くの“懲りない”事件が続発。汚職、詐欺から盗難事件まで、新聞を飾る事件の数々を目にすると、人々は“懲りない○○”と言うようになった。
◆「なんぎやなぁ」〔流行語大賞'87〕
流行語部門・銀賞
受賞者:辛坊治郎・森たけし
この年、阪神タイガースは開幕から負け続け、呆れるばかりの負けっぷりをみせつけた。地元大阪のテレビ関係者である受賞者が、この阪神の姿を見て言ったセリフが「なんぎやなあ」。口汚く罵るでもなく、大袈裟に批判するでもなく、愛情と悔しさとやり切れなさを含んだこのセリフは、視聴者の共感を呼び、大阪だけでなく、全国区の流行語となった。