むかしむかし、とても美しくて、やさしい娘がいました。でも、お母さんがなくなってしまい、お父さんが二度目の結婚をしたので、娘には新しいお母さんと二人のお姉さんができました。

三人は、つらい仕事をみんな、娘に押しつけました。 寝床は粗末(そまつ)なわらぶとん。着る物は、つぎあてだらけ。おふろに入ることもゆるしてもらえず、娘のあたまに、いつも、かまどの灰が付いていました。
そこで三人は、娘をシンデレラ(→灰かぶりの意味)とよんだのです。かわいそうなシンデレラでしたが、それでも、お姉さんたちの何倍も何倍も美しいのでした。
ある日のこと、お城の王子さまが、お嫁さん選びの舞踏会(ぶとうかい)を開くことになり、シンデレラのお姉さんたちにも、招待状が届きました。お姉さんたちは、大はしゃぎです。 シンデレラはお姉さんたちのしたくを手伝い、ニッコリ笑って送り出しました。
それから悲しくなって、シクシクと泣きだしました。「わたしも、舞踏会にいきたいわ」「泣くのはおよし、シンデレラ」
「・・・? だれ?」 シンデレラの目の前に、妖精(ようせい)が現れました。「シンデレラ、おまえはいつも、いい子ですね。ごほうびに、舞踏会へ行かせてあげましょう。まず、畑でカボチャを取っておいで」
妖精が大きなカボチャをくりぬき、つえでたたくと、なんと、金の馬車(ばしゃ)になったではありませんか。「まあ、立派な馬車。すてき」「まだまだ、魔法はこれからよ。さてっと、馬車を引くには、馬が必要ね。その馬は、どこにいるのかしら・・・。ああ、ネズミとりには、ハツカネズミが六匹ね」
妖精は、つえでハツカネズミにさわりました。するとみるみるうちに、りっぱな白馬になりました。別のネズミとりには、大きな灰色ネズミが一匹いました。「このネズミは・・・」

妖精がつえを一ふりすると、みすぼらしい服は、たちまちかがやくような美しいドレスに変わりました。そして、小さくてすてきな、ガラスのクツもくれました。「楽しんでおいで、シンデレラ。でも、わたしの魔法は十二時までしか続かないの。決してそれを忘れないでね」「はい、行ってきます」
さて、お城の大広間にシンデレラが現れると、そのあまりの美しさに、あたりはシーンとしずまりました。それに気づいた王子が、シンデレラの前に進み出ました。「ぼくと、おどっていただけませんか?」シンデレラは、ダンスがとても上手でした。
王子はひとときも、シンデレラの手をはなしません。楽しい時間は、あっというまにすぎて、ハッと気がつくと、十二時十五分前です。「あっ、いけない。・・・おやすみなさい、王子さま」
シンデレラはていねいにおじぎをすると、急いで出ていきました。ですが、あわてたひょうしに階段にひっかかって、ガラスのクツがぬげてしまいました。でも、取りに戻る時間がありません。シンデレラは待っていた馬車に乗って、急いで家へ帰りました。
シンデレラが帰った後も、王子は美しいシンデレラを忘れることができません。「ぼくは、このガラスのクツの持ち主と結婚する」そこでお城の使いが国じゅうを駆け回り、手がかりのガラスのクツが、足にぴったりあう女の人をさがしました。
使いは、シンデレラの家にもやってきました。「足が入れば、王子さまのお嫁さんよ」 二人のお姉さんたちは、足をギュウ、ギュウと、押しこみましたが、どうしても入りません。 わたしもはいてみて、いいでしょうか?」シンデレラがたずねると、お姉さんたちは大笑いしました。
「なにをバカなことをいっているの。あたしたちにも入らないのに、あんたなんかに、・・・あっ!」 シンデレラがはいてみると、くつはピッタリです。
みんな驚きのあまり、口もきけません。「あらあら、わたしの出番ね」 そこへ、あの時の妖精が現れました。妖精がつえを一ふりすると、シンデレラはまぶしいほど美しいお姫さまになっていました。お母さんとおねえさんたちは、ヘナヘナと、腰をぬかしてしまいました。シンデレラは王子と結婚して、いつまでもしあわせに暮らしました。