問題Ⅲ 次の(1)から(5)の文章を読んで、それぞれの問いに対する答えとして最も適当なものを1・2・3・4から一つ選びなさい。
(1) ふるさとや家族について、はじめて意識的に考えたのは18歳のときだった。つまり、家族と離れて、東京で一人暮らしをはじめたときである。かなり重症(注1)のホームシック(注2)で、休みになるとすぐに帰省(注3)した。で、帰って何をするかというと、特別なことは何もない。ふるさとは、帰ってみると、実になんでもないところである。そして、そのなんでもなさが、ふるさとの魅力なのだ、と思う。あたりまえのことの大切さやありがたさに気づくためには、すこし離れて見るのがいい。ふるさとを離れると、ふるさとのよさが見えてくる。
(俵万智『101個目のレモン』文藝春秋による)
(注1)重症「じゅうしょう」:病気が重いこと
(注2)ホームシック:ふるさとを離れている者がふるさとを恋しく思う様子
(注3)帰省「きせい」:ふるさとに帰ること
【問い】 本文の要約として最も適当なものはどれか。
1 ふるさとから離れていると、都会にあるものがふるさとにはない二とに気づくことがある。
2 ふるさとは都会から遠く離れていて、何もないように見えるが、よく探してみると、都会と同じような魅力がある。
3 ふるさとのように、あるのが当然だと思っているものの価値は、そこから少し距離を置くことでわかるようになる。
4 ふるさとで家族と暮らしていると、そのありがたさが意識できるので、なんでもない日常の生活の大切さがわかるようになる。
(2) 建物や部屋、家具などには直線が多く使われています。作りやすくむだが少ないことが、その理由です。しかし、直線には冷たい感じをあたえるという欠点もあります。一方、曲線は、暖かい感じややわらかい感じをあたえるので、最近では、技術の進歩もあって、曲線を用いることも多くなってきました。家でも、大きなまるいテーブルをひとつおくと、すわることのできる人の数もあまり制限をうけず、心理的にもやさしい感じをあたえます。
(家田重晴『すぐに役だつ保健シリーズ⑨ 健廉をささえる環境』ポプラ社による)
【問い】 最近の建物や家具の作り方の傾向として、この文章の内容と合っているものはどれか。
1 作りやすさを考えて直線を使うことが多くなった。
2 暖かい感じがする大きいものを作るようになった。
3 やさしい感じをあたえる曲線を使うことが多くなった。
4 技術の進歩により直線と曲腺を混ぜて作るようになった。
(3) 演劇でも書物でも、文化や芸術には、知らない世界に自分の身を置き換え、身近な(注1)ものにするという力がある。それは「人の身になって考えてみるという想像力が培われる(注2)ことでもあると思う。この想像力により、様々な差異(注3)を超え、世界の人々が同じ「人間」として、幸せに生きてほしいという願いが自然にわいてくる。実はこういう文化の力こそが平和につながる大きな力なのかもしれない。
(東美恵子「壁超える想像力」2002年11月3日付 読売新聞による)
(注1)身近な:自分に関係が深い
(注2)培う:育てる
(注3)差異:違い
【問い】 「こういう文化の力」というのは、どのような力か。
1 世界の人々が平和に生きてほしいと願う力
2 いろいろな文化の違いを比較し、理解する力
3 外国の文化や芸術を見て、わからないところを考える力
4 演劇や書物を通して、自分とは異なる世界を想像する力
(4) 私は、思いきった差別教育をしようと考えている。勉強する子はほめてあげよう。怠ける子は叱ろう。よい事をしたらほめよう。悪い事をしたら叱ろう。煙できれば、一人一人の子を、よく観察して、なるべくたくさん良い所をみつけ出してほめてあげよう。ほめるときは、なるべくたくさんの人の前で、はっきりほめて、多くの人にも祝福(注)してもらおう。叱る場合は人の知らないところで、静かに叱られる理由がよくわかって反省してもらえるように叱ろう。
(中島司有『書のこころ』講談社による)
(注)祝福する:幸せを祈ったり、祝ったりすること
【問い】 筆者の言う「差別教育」とは何か。
1 怠ける子や悪いことをした子はみんなの前ではっきり叱り、勉強する子やいいことをした子は静かにほめること
2 勉強する子やいいことをした子はみんなの前でほめ、怠ける子や悪いことをした子は理由がわかるように叱ること
3 勉強する子やいいことをした子と怠ける子や悪いことをした子とは違うグループにして、たくさんの人に知らせること
4 勉強する子やいいことをした子と怠ける子や悪いことをした子とを混ぜてグループを作り、できるだけ悪いことをしないように指導すること
答案:3 3 4 2 2
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