問題13.次の文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1. 2. 3. 4から一つ選びなさい。
小説家で自作解説をする人がたまにいる。ぼくは『ちょっとな.......』と思う。なぜそんなに思うのかと言うと、一つは『ぼくの自由に読ませてよ』と言いたいからだ。もう一つは自作解説ができるほど言いたいことがはっきりしているなら、なにも小説などという回りくどい(注1)表現形式をとる必要はなかったではないかと思うからだ、はじめから評論を書けばよかったのだ。 小説は言葉を使ってこの世界に似せたイメージを作る表現形式である、世界はそれ自身では主張を持たないから、ぼくたちは小説を『自由』に解釈でくる。それが小説を読む楽しみだ。ところが、評論はそうではない。古典的名著ともなれば評論でもさまざまな解釈が競われるこどがあえうが、ふつうは評論の主張ははっきりしている。『自由』に解釈すれば『誤読』となることが多い。
では、ぼくたちはなぜ評論を読むのかと言えば、それは自分の知らないことやわからないことを、知りたいしわかりたいからだ。それが知的な虚栄心(注2)というもので、これがなくなったら精神的な『老人』である。精神的な『若者』は、友人が本を読んだと聞けば、たとえ自分が読んでない本であっても『読んだよ』と答えるものだ。そして、あわてふためいて(注3)本屋さんが図書館に行って、わかってもわからなくても一晩でそれを読んで、翌日には涼しい顔をして『そう言えば、あれはたいした本じゃないね』なんて言ってみるものだ、そんなふうにして、ぼくたちは教養を身につける。
ぼくは『教養』という言葉を二つの意味でとらえている。一つは知識の量で、これは多ければ多いほどいい。しかし、これは少し古風な教養のとらえ方である、現代ではあまりに多くの情報があふれているからとても追いつけない。その上に過去のことまで知っていなければならないとしたら大変だ。もちろんそのための努力は大切だが、限りがある。そこで二つめの教養の意味が必要だと考えている。それは、物事を考えるための座標軸(注4)をできるだけたくさん持つことだ。『たくさん』とは言っても、ぼくたちの思考方法にはその時代ごとに流行があるから、これは無限というわけではない。ぼくは、その時代に必要な思考方法を身につけることを第二の教養、そして現代の教養と呼んでおきたい。この現代の教養を身につけるために評論を読むのである。
(石原千秋『未来形の読書術』による)
(注1)回りくどい:直接的でなくわかりにくい
(注2)虚栄心:実際以上によく見せたいと思う心
(注3)あわてふためいて:とてもあわてて
(注4)座標軸:ここでは、基準
71.筆者によると、小説は読者にとってどのようなものか。
1イメージの世界の作家の解説どおり読むもの
2作家の作り出した世界から主張を読み取るもの
3作家が描いた世界を表現どおり解釈するもの
4作家が表現した世界を好きなように解釈するもの
72.精神的な『若者』とはどういう人か。
1教養があるのにないふりをする人
2教養があると思われるように評論を読む人
3知識のないことを恥ずかしいと思わない人
4知識の不足を自覚して評論を読む人
73.筆者の言う第二の教養とは何か。
1多くの知識を身につけていること
2時代に沿った考え方ができること
3将来の状況を予測するような考え方ができること
4流行に右左されない知識を身につけていること
問題14右のページは、留学生のために就職セミナーの案内である。下の問いに対する答えとして最もよいものを、1.2.3.4から一つ選びなさい。

74.留学生のリーさんは、友人と一緒に6人でこの別館を見学したいと考えている。6人1組で一緒に申し込むことはできるか。また、6人が同じ時間に一緒に見学することは可能か。
1.6人1組で申し込むことが可能で、同じ時間に一緒に見学することができる。
2.6人1組で申し込むことはできるが、同じ時間に一緒に見学できるとは限らない。
3.2組に分けて申し込む必要があり、同じ時間に一緒に見学できない可能性もある。
4.3組に分けて申し込まなければならず、同じ時間に一緒に見学することはできない。
75.中学生の田中さんは古い建物に興味があるので、この別館をぜひ見学したいと考えている。田中さんが見学当日に必ずしなければならないことは何か。
1大人と一緒に行く。
2見学の前に料金を支払う。
3別館見学ツアーに参加する。
4結果通知のはがきを持参する。
答案:
問題13:4 4 2
問題14 :3 3
以上内容就是2011年12月 日语能力考试二级真题读解部分相关内容,更多精彩真题请继续关注前程百利日语考试频道!