問題11 次の(1)から(3)の文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1、2、3、4から一つ選びなさい。
従来(注1)の会議では、一番地位の高い人が自動的に司会ないし(注2)議長の役もする傾向があった。
(中略)
「いい会議」をもつためには十分な準備が必要である。トップにそんな時間があるはずはない。したがって、自分で準備をして会議を運営するよりも、他の人に任せる選択をすべきである。トップは、あまりたくさんのことをやりすぎてはいけない。全部をやろうとすることは、すべてがうまく運べないことにつながりかねないから。しかし、自分が一番情報をもっている場合が多いので、最初の段階で他の出席者に必要な情報を伝える義務はある。また、決定されたことを受け入れるためには、自分も積極的に参加して言うべきことは言っておく必要がある。トップの姿勢次第で、他の出席者は積極的に参加することもあれば、本音(注3)を言えずにただそこに座って居るだけで、かつ(注4)不満を心の中にしまい込んでおく参加の仕方になってしまう場合もある。その意味でトップがどのように参加するかは、会議の成否(注5)を決める決定的な(注6)要因の一つである。 あとは、進行役に任せることが大切で、基本的には、トップの存在感が薄いほど他の出席者は積極的に参加する。その方が普段は聞けないたくさんの意見やゕデゕを聞くチャンスを得られることにもなるし、会議に参加して本当によかったと誰もが思えるようになるのである。
(吉田新一郎『会議の技法』による)
(注1)従来:今まで
(注2)ないし:または
(注3)本音:本当に思っていること
(注4)かつ:そのうえ
(注5)成否:うまくいくかいかないか
(注6)決定的な:ここでは、重要な
60. 一番地位の高い人が会議で議長役をすることについて、筆者はどのように考えているか。
1) 他の出席者にも議長役を経験させるために、自分ではしない方がよい。
2) 会議の出席者に必要な情報を伝えるためには、自分でした方がよい。
3) 出席者の中で一番情報をもっているため、自分でした方がよい。
4) 会議のスムーズな運営のためには、自分ではしない方がよい。
61. 会議中にトップがしなければならないことは何か。
1) 必要な情報を先に伝えて、自分の考えを述べること
2) 参加者が不満をもたないよう、十分情報を伝えること
3) 多くのゕデゕを提案して、参加者の意見を求めること
4) 他の出席者が積極的に参加できるよう、発言を避けること
62. トップ以外の会議の出席者が本当によかったと思えるのは、どのようなときか。
1) 進行役の運営が上手で発言しやすかったとき
2) 発言の機会が多く、各自の意見が認められたとき
3) 発言する人が増え、さまざまな意見が聞けたとき
4) トップが黙って出席者の意見を受け入れてくれたとき
1959年は板ガラス製造において記念すべき年である。この年、ある画期的(注1)な板ガラス製造法の実用化に成功した。この製造法の発明から実用化までは、苦難の道であり7年の年月がかかったが、この方法によって、表面に輝きがあり、平らでゆがみのない(注2)板ガラスを連続的に低コストで作ることができるようになったのである。
ガラスが窓に使われ始めたのは今から2,000年以上前のことで、初期の板ガラスは、分厚く、泡を多く含み、表面に傷がたくさんある粗末な品質のものだった。4世紀ごろになると、表面に輝きがある薄い板ガラスの製造法が発明されたが、作れる板ガラスの大きさには限りがあった。その後、より大きな板ガラスの製造法も発明されたが、この製造法においてもゆがみをなくすことはできなかった。それだけでなく①後戻りをしてしまった点もある。溶かしたガラスを手作業で平らにしたため、表面に輝きがなかったのである。磨くことで輝きを出すことは可能だったが、特別な技術が必要で、手間も費用もかかった。 このように、板ガラスの歴史を通じて多くの製造法が発明されたが、いずれもどこかに問題点を抱えていた。それらが一気に解決され、高品質の板ガラスを大量生産することが可能になったのが1959年なのである。1960年代の日本は自動車の普及が進み、同時に安全性の向上が求められていた時期である。②この成功があって初めて、これらの需要にこたえることが可能だったと言えるだろう。
(注1)画期的:今までと大きく異なる、新しい
(注2)ゆがみのない:ここでは、凸凹のない
63. ①後戻りをしてしまった点とあるが、それはどんな点か。
1) 板ガラスの大きさが限られるようになった点
2) 板ガラスの表面の輝きがなくなった点
3) 薄い板ガラスが作れなくなった点
4) 割れやすい板ガラスになった点
64. ②この成功は何を指すか。
1) 質の良い板ガラスの大量生産が可能になったこと
2) 板ガラスの質が高まり利用法が多様になったこと
3) 板ガラスの大量生産が可能になって普及が進んだこと
4) 安全性の高い板ガラスを製造する方法が発明されたこと
65. 1959年を記念すべき年と、筆者が述べているのはなぜか。
1) 窓に使用できる板ガラスの製造法が初めて実用化されたから
2) 板ガラスの表面を磨いて輝きを出す技術の開発に成功したから
3) それまでの問題を解決し、板ガラスの製造に初めて成功したから
4) それまでの問題をすべて解決する板ガラスの製造法が実用化されたから
数年前、家を引っ越した。50年住み慣れた小さな家だったが、いざ引っ越しとなると、使っていない道具がごろごろ出てきて、あらためてものの多さにびっくりした。道具にしろ、本にしろずいぶん多量に所有していて、これを使いこなし(注1)、読みつくす(注2)には多量の時間がかかる。あと何年生きられるだろうと人生を逆算してみて、①この物量はムダだなゔと引っ越しのトラックの助手席で考えた。
私は世間の人よりはものの所有欲が強いとは思っていない。むしろものをもたないほうと思っているが、それでもものが多過ぎるのである。 昔、「預かりものの思想」と言った人がいる。人はぽつんと生まれて、ぷつんと消えていく。家や土地、道具にしても、いくら自分の所有だと力んでみても、死んでしまえばもっていけない。いずれは世の中に返していかなければならない。このわずかな人生の時間の中で、②それを楽しむしかないのだ。空気や水と同じように、土地も家も道具も、あらゆる諸物は世の中から預かって、生きている間だけ借りているのだ、という考えだった。 たしかに、私たちはものへの所有欲が強い。車をもつ、家をもつ、高級ブランド品をもつ、携帯電話をもつ、コンピューターをもつ、所有することで満足感を得ている。しかし、所有欲をふくらませるには、どこかで限界があるだろう。「預かりものの思想」は、そういう物欲にかられる(注3)私たちに冷水をかける思想だった。
(野外活動研究会『目からウロコの日常物観察ーー無用物から転用物まで』による)
(注1)使いこなす:ここでは、すべて使う
(注2)読みつくす:すべて読む
(注3)物欲にかられる:物欲を抑えられなくなる
66. ①この物量はムダだなゔとあるが、筆者はなぜそう考えたのか。
1) 残された時間ですべてを利用することができないから
2) 使っていない道具も一緒に運ばなければならないから
3) 整理のために人生の貴重な時間が奪われるから
4) 使わなくなったものがたくさんあるから 67. ②それとは何を指すか。
1) 世の中 2) ものの貸し借り 3) 所有しているもの 4) わずかな人生の時間
68. 「預かりものの思想」では、ものをどのように考えているか。
1) 生きている間にすべて返さなければならない。
2) 生きている間だけ世の中から借りている。
3) 所有していてもいつかは消えてしまう。
4) 所有するより借りたほうがいい。
問題12 次のAとBの文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1、2、3、4から一つ選びなさい。
A
69. AとBのどちらの文章にも触れられている内容はどれか。
1) 旅の移動手段の発達
2) 旅における新しい発見
3) 旅の日常に与える影響
4) 旅における目的地の選択
70. AとBがそれぞれ旅をするときに最も重視していることは何か。
1) Aは目的地までの過程を重視し、Bは目的地に長くいられることを重視している。
2) Aは目的地をどこにするかを重視し、Bは移動時間を短くすることを重視している。
3) Aは滞在中の発見を重視し、Bは日常から離れられる場所を選ぶことを重視している。
4) Aは計画を立てることを重視し、Bは移動する範囲を広げることを重視している。
答案:
問題11:4 1 3 2 1 4 1 3 2
問題12 :2 1
以上内容就是2012年12月 日语能力考试二级真题读解部分相关内容,更多精彩真题请继续关注前程百利日语考试频道!
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