次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。答えは、1、2、3、4から最も適なものを一つ選びなさい。
日本語は漢字によって飛躍的(ひやくてき)に進化しました。漢字は日常に欠くことができない存在ですが、その功(こう)とともに罪(つみ)の部分も認めなくてはなりません。
日本語は、「かく(書く•欠く•挂く)」のように、漢字でさまざまに書き分ける内容をもっています。このように多様な日本語の、その場その場の内容をひと目で識別(しきべつ)できる手段が漢字です。しかし、そうした漢字依存が、日本語のもつ本来の意味を失 わせていくことになります。
( ① )「かく」は、文字や絵を「かく」時に用いますが、漢字や紙が渡来する以前からありました。その答えが(注1)縄文(じょうもん)の土器です。それは土をこねて成形したものに、縄目をはりめぐらしたり、線文様(せんもよう)などを刻(きざ)んだりしていますが、原初の「かく」とは、 先の尖(とが)ったもので、掻(か)いて土や石の表面に傷をつけることだったのです。この「かく」行為は指先を使って行なう動作であることから、後世(こうせい)、指先で何かをすることを示(しめ)す場合にも用いるようになりました。そして字を記(しる)す動作も「かく」といい、絵に表わす動作も「かく」と言い、やがて両者を「書く」 「描く」などと漢字を変えて区別するようになりました。そのために「かく」という大和(やまと)ことばが、本来はどういう働きを示すものなのかが、わかりにくくなってしまったのです。
中西進『ひらがねでよめばわかる日本語のふしぎ』<小学馆>より)
(注1)縄文(じょうもん):紀元前3Cまで続いた狩猟•採集経済の段階の日本。
問1 ( ① )に入る適当な語はどれか。
1 たとえば 2 さらに 3 いわば 4 なるほど
問2 どうして「かく」という大和ことばが、字や絵を「かく」という意味を表すようになったか。
1 「書」 「描」という漢字が、その意味とともに日本に伝えられたから。
2 「かく」ということばは、元々指先を使うという意味で使われていたから。
3 どちらも指先を使って、物の表面に何かを記す点で同じだったから。
4 どちらも先の尖ったもので、物の表面に傷をつける点で同じだったから。
正解:
問1:1
問2:3
<解 説>
問1:このことばは後段の文全体にかかっているのでわかりにくいが、後段全体が「漢字依存が、日本語のもつ本来の意味を失わせていく」ことの実例となっていることがわかる。「例えば」と「いわば」は混同しやすいが、「例えば」は「例を挙げれば」(例示)「いわば」は「喩えて言えば」 、(比喩)に使われる。
問2:1と2は本文に記載された事実と異なる。 「書く•描く」は傷つけるのとは異なるので、4も間違いとなる。
以上就是日语能力日语能力考N2读解练习68的相关内容,阅读没有更好的办法,基本知识掌握牢固的前提下要多做练习,把握做题规律,祝各考生取得一个好成绩。
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