次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。答えは、1、2、3、4から最も適なものを一つ選びなさい。
始発駅で電車に乗り込む人々。おそらく1人、2人と乗ってきた乗客は、①まず端の席に座るはずだ。続いて埋まるのは真ん中で、それから隣の人と距離を置くように、ほぼ均等に席が埋まっていく。
これは、縄張り(注)を確保したいという心理のあらわれである。人は自分の身体の周囲に一定の空間を保ちたがる性質があり、ここに侵入者がいると、圧迫感を覚え、落ちつかなくなるのだ。この縄張り空間は、心理学で②パーソナル・スペースと呼ばれている。
パーソナル・スペースの範囲は、個人差がある。たとえば物事にこだわらないオープンな性格の人は領域が狭いので、他者がある程度まで接近してきても平気である。逆に、気難しく排他的な人は自分の領域を確保しなければ気がおさまらず、侵入されると不快感を抱く。
空いているなら、真ん中に座ってもパーソナル・スペースは保てるのではないかと思うところだが、たいていの電車には、あとから乗客が乗ってくる。つまり、はじめは両側が空いていても、いずれ侵入者となる人がやってくる可能性が高い。だが端の席ならば、縄張りが侵入されるのは片側だけなので落ち着いていられるというわけだ。
都会の通勤電車は否応なく他人と接近あるい接触せざるをえないが、座席に座れる余裕があれば、誰もが自然とこうした行動をとるに違いない。端から埋まる理由は、パーソナル・スペースに侵入される不快感から少しでも逃れるための工夫といえるだろう。
PHP研究所「しぐさのウラ読み」による
(注)縄張り:一定の勢力範囲、個人的な空間
問1 ①「まず端の席から座る」理由は何か。
1 端の席は個人の空間が広く、他人に侵入される可能性が少ないから
2 端の席は周りの人間と一定の空間があり、侵入されても不快感がないから
3 端の席は人が乗ってくる可能性が片側だけなので、真ん中の席より落ち着くから
4 真ん中の席は隣人との距離が均等的であるのに対し、端の席の空間はより広いから
問2 ②「パーソナル・スペース」の説明と合っているのはどれか。
1 人はパーソナル・スペースに他人が侵入してくると、圧迫感を覚え、いらいらする。
2 オープンな人ほど、個人が必要とするパーソナル・スペースが広いと推測できる。
3 都会の通勤電車内はパーソナル・スペースがないため端から座る人が多い。
4 通勤電車の中でパーソナル・スペースを守るためには座るより立ったほうがいい。
問3 文章の内容と合っているものはどれか。
1 始発駅で電車に乗り込む人は個人の縄張りを作るために、端の席から座る傾向がある。
2 気難しく排他的な人ほど他人に侵入されると不快に感じるパーソナル・スペースが狭い。
3 電車の中では、端の席より両側が空いている真ん中の席のほうから先に埋まる。
4 人には周りの人と一定の距離を保ちたいという縄張り心理があり、その縄張り空間には個人差がある。
正解 :3 1 4
[概要]在始发站坐车的人,一般而言都会首选靠边的位置,之后再选中间的位置,或者与旁边的人隔开一个位置就坐。这是因为人们希望自己周围能够有一定的空间,这个空间被侵占的话就会感到不舒服。心理学上把这个空间叫做“个人空间”。个人空间的范围是有差异的。比如不拘小节的人所需要的个人空间会小一些,即使旁人靠近也不会太在意。反之,性格比较怪癖,有点排他的人如果个人空间被侵占的话就会不舒服。一般而言,坐在电车两端的座位的话,就只有一边的空间会被人侵占。这也是一种维持个人空间的办法吧。
以上就是日语能力日语能力考N2读解练习81的相关内容,阅读没有更好的办法,基本知识掌握牢固的前提下要多做练习,把握做题规律,祝各考生取得一个好成绩。
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