人称代名詞名詞われ(私)の複数はわれわれ(私たち)だと通常考えられている。多くの場合それでいいのだし、実際にもそういうふ うに使われている。けれども、われわれがいつでも必ずわれの複数といえるかとなると、そうとばかりはいえないだろう。自分を含んだ複数の人間をひとまとめにしてわれわれというとき、ことわるまでもなくそのわれわれのなかで自分と他の人々とは、なんらかの意味で親和的な間柄にある。たとえばグループ、学校、会社、党派、国など、性格や規模こそちがえ、一つの同じ集団に属していて、心の、あるいは利害の上で互いに結びついていることが前提になっているわけだ。しかしこの場合、自分と他の人々とは、それぞれの集団の外部に対しては同じ集団に属するものとして結びつきをもっているにしても、それぞれの集団内部を考えてみれば、①自分と他の人々との間柄が対立を含んでいないとはいえない。自分にとって近い集団から遠い集団へ、自分を含む小さな集団から大きな集団へという方向で、一般的には集団内部の自他の対立は大きいが、たとえ小さな身近な集団なかでも自他の対立はなくなるわけではない。それどころか、ときには近親憎悪と呼ばれるような、近い間柄であることがけって激しい憎しみを相互に惹き起こすことさえあるのだ。このようなわけで、集団内部の自他の対立を問題に出すと、②われわれということは簡単にはいえなくなる。もっといえば、ありえないことになる。つまり、( ③ )、そこにあるのはつねにただ自己と他者たちだ、ということになるのである。
(中村雄二郎『哲学の現在』による)
(注1)親和的な~:互いに親しい~
(注2)惹き起こす:生じさせる
1、②「われわれということは簡単にはいえなくなる」のはなぜか
1一つの集団の中で、心や利害の上で互いに結びついているという関係はあまりないから
2一つの集団の中で、複数の人間が互いに憎しみを持っているということは考えられないから
3どんなに共通点の多い集団でも、その構成成員が全く同じ考えを持つことは許されていないから
4どんなに共通点の多い集団でも、複数の人間が全く同じ考えを持っていることはありえないから
解释:正确选项1:在同一集团内部,基本上不可能完全结成共同的心理和厉害关系上的人际关系。
关键句:"一般的には集団内部の自他の対立は大きいが、たとえ小さな身近な集団なかでも自他の対立はなくなるわけではない。"
一般来说,集团内部的成员之间都存在着较大的对立,即使是在身边的小的集团之中,这种对立也是存在的
选项2:表达与原文不符,集团内部的成员之间并不是由于存在这相互增恶的感情才存在对立的。
选项3:把原文所要表达的观点绝对化了。
选项4:逻辑上是对的,但是和题干不符。
2、( ③ )に入る最も適当な文はどれか
1われには複数はない
2われは単純ではない
3われはわれわれと同義である
4われとわれわれは対立している
正确答案: 1われには複数はない
3、①「自分と他の人々との間柄が対立を含んでいないとはいえない」という筆者の考えから言えることはどれか。
1他の集団に属する人間とは、親和的な間柄になることは難しい
2同じ利害で結びついていない人間同士には、対立関係が生じやすい
3身近な関係以外の人間には、激しい憎しみを持たないとはいえない
4同一の集団にいる身近な人間との間でも、親和的になるとは限らない
正确答案: 4同一の集団にいる身近な人間との間でも、親和的になるとは限らない
参考翻译
人们通常都觉得人称代名词名词“我”的复数“我们”。大多数场合这样说没有问题,实际上也是这么使用的。但是,“我们”就一定是“我”的复数形式么,恐怕并非如此。将含自己在内的多个人类凑到一起这种情况称为我们的时候,也不是说不对,只是某种意义上,那个“我们”中的自己和他人存在于和睦的关系中。比如团体、公司、党派、国家等等,即使性质、规模的不同,既然属于同一个集团,就应该以心、或者利害关系上互相缔结为前提。但这是种情况下,自己和他人是对相对于集团外部,同属于集团内部的同一缔结体来考虑的。如果考虑到各个集团内部的话,也不能说自己与他人之间不包含对立的关系了。对自己来说由近的集团到远的集团,由包含自己的小集团到大集团的方向上,一般来说,集团内部的成员之间都存在着较大的对立,即使是在身边的小的集团之中,这种对立也是存在的。不仅如此,有时候就像所谓“近亲憎恶”那样,越是近的关系就越容易引起互相激烈的厌恶。因此,就出现了集团内部的自己与他人的对立,“我们”这个概念也就变得不这么简单了。更进一步来说,也就是,“我”没有复数,存在的只是“我”与“他人”而已。
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