数学に弱い。あきれるほど弱い。(略) 私がもっともよく受ける数字系質問は「一日、もしくは①一カ月に、何枚の原稿を書くか」である。最初にこの質問をされたときは、社交辞令というか、会話のつなぎ目のあまり意味のない質問だと思い、「さあ?」と受け流していたのだが、しかし必ず、「一日十枚?二十枚?月算五百枚はいくか?」と、相手は質問を続ける。答えなければならぬと焦り、えーとパソコン画面の一枚が原稿用紙三枚で……と指を折って数え、次第に胃が痛んでくる。私は未だに、一カ月何枚の原稿を書くのか、自分では知らない。
「②今まで何カ国を旅したか」という質問もある。これまた数である。十九歳で初めて旅した場所から、順を追って数えはじめるのだが、私は場面を思い出さないと数えられない。タイならタイのある風景、そのときの服装や髪型から割り出した自分の年齢を組み合わせてようやく「ひとつ」と数えられるので、正確に答えようとすると記憶があふれ出してたいへんなことになる。「えーと、あの、三十カ国ほど……」と答えが出るのは翌日の午後くらいで、もちろんそこまで質問者は待ってくれない。
数をあらわす言葉が「ゼロ」「ひとつ」「たくさん」しかない民族の話を聞いたことがある。私はそれに憧れる。それなら私も胸をはって答えることができるのだ。一カ月書く原稿の枚数は、ひじょうにたくさんです、と。
1、筆者は、①「一カ月に、何枚の原稿を書くか」という質問に対して、どのように対応していますか。
答えようと努力はしてみるが、答えられずにいる。
社交辞令として、適当に五百枚程度と答えている。
胃が痛くなるほど書いている、と答えている。
指折り数えて、できるだけ正確に答えている
正确答案:答えようと努力はしてみるが、答えられずにいる。
解释:文章第一句【数学に弱い。あきれるほど弱い】(我数学差。不可救药地差),这是整篇文章的中心,下文都是围绕此话题举例展开的,因此答案的选择可以参考这句话。第二段里都在描述作者是如何尝试回答的,先是想蒙混过关,接着在对方追问下掰开手指头数,渐渐到胃都痛起来。但直到最后【私は未だに、一カ月何枚の原稿を書くのか、自分では知らない】(我到现在也不知道自己一个月写多少页稿子),所以选4。
2、筆者は、なぜ、②「今まで何カ国を旅したか」という質問に答えようとすると大変なことになる、と言っていますか
どう答えたら相手に良い印象を与えるかを、細かく考えてしまうから
記憶と力が悪くて、正確に答えるためには、過去の資料を全部見直すことが必要だから
数えるにあたって、旅行の場面をいちいち思い出さなければならないから
質問の答えを翌日まで待ってもらえるよう、お願いしなければならないから
正确答案:記憶と力が悪くて、正確に答えるためには、過去の資料を全部見直すことが必要だから
解释:第三段中,作者对划线部分解释说因为自己【場面を思い出さないと数えられない】(不回忆场景就不会数),这回忆里包括风景,自己的服装,发型等等,因此【答えが出るのは翌日の午後くらいで】(得出答案要到第二天中午)。由此可知选1。
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