親が子供をしつけるときに、いちばん頭を悩ますのが、「友達も持っているから」という子供の抗弁である。たとえば、親が「中学生が携帯電話を持つのは贅沢だ」とか「まだ早い」とか言うと、子供は「友達はみな持っている」と言う。そう言われると、親は何も言えなくなってしまう。こうして「我が家の決まり」や「我が家の価値観」が崩されていく。このごろでは、①「他人は他人、うちはうち」と言える親が少なくなった。そして、「流行っている、新しいものほどよい」という価値観が幅を利かせている。 そういう風潮が強まり、「新しい流行」が若者の最大の価値基準になっている限り、親の権威はなくなり、家庭内秩序も生活規律も守られなくなる。「若者文化」への迎合は家族を破壊させる方向に働く。この風潮の背後には、大量消費を煽る現代資本主義の本質が大きく影響している。大量消費によって成り立つ現代企業は、新しい物を次々に売り出し、さまざまなコマーシャルによって消費を煽るから、人々は新しい流行を追って右往左往する。古いものには価値がないと思いこまされるのである。
(内田樹 「街場の現代思想」より)
「『他人は他人、うちはうち』と言える親が少なくなった。」とあるが、どうしてそうなったのか。
日本人は「新しい流行」という「若者文化」へ迎合する傾向があるから。
若者中心の世の中になって家庭内秩序などが守れなくなっているから。
現代資本主義の宣伝で「新しいものほどよい」と思わされているから。
戦後は個人主義が主流となり、親たちの権威が崩壊しはじめたから。
正确答案:現代資本主義の宣伝で「新しいものほどよい」と思わされているから。
解释:第二段「この風潮の背後には、…」之后即为原因。
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