問題13 次の文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1 、2、3、4から一つ選びなさい。
これは僕の個人的な意見だが、「悩み」と無縁の幸せは存在しないと思う。ものづくりでも「悩み」はとても重要で、悩みをどう解決するか、どう昇華(注1)させるかが、作った成果、物の存在感や主張に直結する。
その観点で言うと、最近の日本の製品には「悩み」が見えない。悩みに取り組まずに切り捨ててしまうからだと思う。日本人は「シンプル」に強いあこがれを持っているが、いつの頃からか「要素が少なくて単純なことがシンプルだ」という誤った思い込みを抱いてしまっている。だから重要なものを切り捨ててしまって平気なのだ。
そういう思いつきと勢いだけで作られた商品を「チューンガム商品」と僕は呼ぶ。作られたものが薄っぺらで、すぐに味がなくなって捨てられるからだ。
日本人の多くは「日本文化の神髄(注2)はシンプルさだ」と思っているようだが、僕は完全には同意できない。日本文化にはいろいろな相反(注3)する要素が複雑に絡みあって、それらを生かしたまま歴史の中で洗練された結果、一見シンプルに見えているだけなのだ。その深い部分を理解できずに、切り捨てて単純化したものを簡単に製品にしているから味が出てこない。 日本文化と同様に、切り捨てではなく洗練によってシンプルに見えるものは、ヨーロッパのブランド商品などにもよくある。内在していた相反する要素がうまく噛み合って(注4)いるから、シンプルに見えるだけなのだ。 要素が少なくて単純なものと、洗練によってシンプルに見えるものを比較すると、内包されている複雑さが全然違う。しかも後者には、作った人たちのいろいろな悩みも見える。最初のうちはうまく隠されていて見えないが、使っているうちに「あ、こうやって悩んで、それでその結果こういう処理をして、それでこの製品ができてきたのか」ということがわかってくる。だから奥が深い商品が生まれ、使っていても色んな側面が次々と現れてくるので飽きが来ないのだ。
悩みを避けて切り捨てた「もの」ゃ「ひと」には、そういう面白みが存在しない。
(奥山清行『ムーンショット デザン幸福論』による)
(注1)昇華する:一段と高度なものにする
(注2)神髄:中心となる本来の性質
(注3)相反する:互いに対立する
(注4)噛み合う:ここでは、ぴったり合う
71. ここでの重要なものとは何か。
1) 悩み 2) 思い込み 3) シンプルさ 4) 強いあこがれ
72. 筆者は、日本文化をどのようなものだと考えているか。
1) 単純に見えて実は複雑なもの
2) 単純であるが飽きが来ないもの
3) 要素が少なくシンプルなもの
4) 洗練されていないが深い味があるもの
73. ものづくりについて、筆者はどのようなことが必要だと言いたいのか。
1) できるだけ作り方を複雑にしていくこと。
2) あまり悩まずにシンプルさを求めていくこと
3) 深く考えながら対立する要素をうまく合わせていくこと
4) 迷いながらも複雑に絡みあった要素をうまく切り捨てていくこと
問題14 右のページは、観光客のための案内である。1・2・3・4から一つ選びなさい。
(注) J R :日本の大きな鉄道会社
74. このパスを手に入れるには、どうしたらいいか。
1) 京都楽遊パスオフゖスへ行けば無料でもらえる。
2) 京都市内の観光案内所、駅、ホテルなどで買える。
3) 京都市内の主な観光施設で買うことができる。
4) 京都市内のバスや地下鉄などに乗るともらえる。
75. このパスを持っているとどんなことが可能になるか。
1) 指定の店での買い物はすべて5%引きになる。
2) 距離に関係なく、市内の乗り物が無料になる。
3) 指定の美術館では入場料が100円引きになる。
4) 市内のレストランでの食事が10%引きになる。
答案:
問題13:1 1 3
問題14 :2 3
以上内容就是2012年7月 日语能力考试二级真题读解部分相关内容,更多精彩真题请继续关注前程百利日语考试频道!
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