今年が生誕300年になるフランスの思想家ルソーが言っている。「理性、判断力はゆっくりと歩いてくるが、偏見は群れをなして走ってくる」(『エミール』今野一雄訳)。偏見に染まるのは早く、こびりついたら容易には消えない
▼今年是法国大思想家卢梭诞辰300周年,他曾经说过:“理性和判断力是缓缓走来的,而偏见则是蜂拥而至的”(《爱弥尔》今野一雄译)。偏见很容易先入为主,一旦印入脑海便会挥之不去。
▼アメリカ社会のイスラム教への偏見は以前から根強い。2年前の今ごろ、フロリダの教会が世界に向けて「コーランを燃やせ」と呼びかけた。激しい反発がイスラム世界に広がったのは記憶に新しい
▼很早以前,美国社会对伊斯兰教的偏见就根深蒂固。在两年前的今天,福罗里达州的教会就向全世界呼吁“让我们焚烧古兰经”吧。在伊斯兰世界中不断蔓延的激烈反抗,至今还记忆犹新。
▼今年に入って、米軍幹部の教育機関で、イスラム教徒の市民には空襲のような無差別攻撃が許される、といった内容の授業が行われていたことがわかった。あからさまな蔑視に驚くが、そうした空気を吸って軍人各層は育つらしい
▼到了今年,美军高官教育机构的授课内容中,包括肆意空袭信奉伊斯兰教徒市民的内容被公之于众。这样明目张胆的歧视令人震惊,美国各个阶层的军人就是这种氛围中成长起来的吧。
▼そして、また騒ぎである。イスラム教の預言者ムハンマドを侮辱する映像が流れ、怒った民衆の抗議で中東各地は荒れる。引き金になった映像は、炎上を狙って油にマッチを投げたようなものだ。偏見を通り越して、暗い憎悪が透けて見える
▼紧接着,又发生了骚乱。侮辱伊斯兰教预言家穆罕默德的影像资料四处散播,中东各地在愤怒的民众抗议中局势动荡。成为导火索的影像资料,无异于燃油上的一根火柴,助长火势。透过偏见,我们看到的是黑暗的憎恶。
▼「挑発に乗るな」という指導層の理性の声が細れば、事態はさらに危うくなる。時を同じくしてリビアの米領事館が襲撃された。これはテロらしいが、大使ら4人の落命が痛ましい
▼如果领导层再不发出“不要被忽悠”的理性之声,那么事态将岌岌可危。就在同时,美国利比亚的美国领事馆遭遇袭击。这简直可以说是恐怖事件,大使等4人的身亡令人悲痛万分。
▼アメリカという国の欠点の一つは「他国を手前勝手に理解すること」だと言われる。それが反発を生んできた。リビアの惨劇を怒りつつ、偏見と独善を消していく努力も望みたい。欲しいものは相互理解。こぶしを開かなくては、握手はできない。
▼大家都说美国这个国家的缺点之一就是“不管不顾自由理解”,于是就产生了反抗。利比亚的惨剧让人愤怒,希望美国能够为消除偏见和主观自我,努力加深理解。因为不松开拳头的话,就无法握手言和。
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