いったん懐を飛び出した金はもう俺のものではない。落とした財布を届けられた大工は、そういって受けとらない。届けた左官も引き下がらないから、大げんかになる。南町奉行、大岡越前守(えちぜんのかみ)の裁きは……。落語の「三方一両損」である
一旦离开了自己的钱就不再是我的了,这么认为的木匠没有接受失而复得的钱包。可送来钱包的瓦匠也毫不退让,于是便争吵了起来。南町奉行大冈越前太守的裁决是……。这就是落语“三方一两损”的故事梗概。
▼江戸の職人は目先の金に頓着することを潔しとしない。そんな2人の意地の張り合いがおかしい。エッセイストの中野翠(みどり)さんはかつて古今亭志ん朝でこの噺(はなし)を聞き、泣きそうになったと言っている。人間には損得とは別に大切なものがある。「損得が分からないバカであってもいいんだ、と」(『この世は落語』)
▼江户的工匠将垂涎眼前金钱利益视作不干不净。2人之间如此相持不下倒也很是不可思议。据说,随笔作家中野翠女士听到古今亭志朝的这段说唱后曾经都快掉下眼泪。看来,除了利害得失之外,人还拥有其他更为重要的东西。且“即便被误认为是不知得失的笨蛋也无关紧要。”(摘引自《人世皆为落语》)
▼双方とも金がいらないわけではない。それでも粋(いき)がる。痩せ我慢する。自己満足であり、大げさにいえば美学である。その「自分でもバカだなあと思わなくもない」という微妙な心理を、中野さんは喜ぶ。なるほど、いとおしくも思えてくる
▼当然,这并不意味着双方都不要钱。可尽管如此却仍要这么绷着。这便是所谓的死要面子活罪,是一种自我满足,如果再说得玄乎些,也可认为这是一种美学。这种“连自己都会觉得冒傻气”的微妙心理,中野女士倒还是很欣赏。仔细品味,确实会让人觉得有那么点可爱。
▼人の心はややこしい。二心(ふたごころ)という言葉もある。一つの頭の中で天使の声と悪魔の声が交錯したりする。損するより得する方がいいと、誰もが簡単に割り切るわけではない。見えもあれば、利他心もある
▼人的心理非常错综复杂,所以才会有二心的说法。在一个脑袋里,天使与恶魔的声音交替出现。所得远远好于所失,这并不是任何人都能轻而易举地认清楚的。因为人既有粉饰自己的虚荣心,也有帮助他人的善心。
▼損得ずくでないものを、安倍首相も称揚する。著書『新しい国へ』は損得を超えよと読者に訴える。例えば国への思いがいま、軽視されている。憲法改正を後回しにした弊害だ、と。本当にそうなのか
▼安倍首相也赞扬不以得失为准则的观念,其著作《奔向崭新的国度》就呼吁读者要超越得失。并举例称,当今,对于国家的关心遭到了轻视,并认为这是修改宪法一拖再拖所造成的恶果。果真如他所说的那样吗?
▼改憲機運が高まる。問うべきは、まさにその損得勘定である。ここは、「分からない」と言っている場合ではない。とっくり見極めよう。
▼改宪的机遇越来越大,而我们理应质疑的正是它的得失权衡。现在不是可以说“我不知道”的时候,还是睁大眼睛分辨清楚吧!
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