次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。答えは、1、2、3、4から最も適なものを一つ選びなさい。
数年前日本で、飢餓(きが)のアフリカの子どもたちを救おうと(注1)キャンペーンが大々的に行われたことがあった。キャンペーンは终わってしまったけれども、( ① )そのものが终わったわけではない。今でも、世界のどこかで、お腹を空かせ、(注2)ギリギリのところで生きている人たちがいる。「毎年数百万人の子どもが失明したり、心身の障害 を負っている」といった深刻な報告((注3)ユニセフ年次報告一九九〇年)は後(あと)を絶(た)たない。
②一方私たち日本人の食生活といえば、お腹がいっぱいになったら、目の前のお皿にまだ料理が残っていても、「もう食べられない」と残して捨ててしまう。以前、子どもたちの間でビックリマン・チョコの(注4)シール集めが流行ったとき、 チョコを買っても、 シー ルだけ取って、チョコは食べないで捨ててしまう、ということもあった。③私たちは食に関して、ものすごく鈍感(どんかん)になっている。お金さえ払えば、いくらだっておいしいものは食べられる。食べ物がなくなるなんて考えたこともない。
同じ地球上に生きていて、一方は飢(う)え、一方は飽食(ほうしょく)の極(きわ)み、地球全体で言えば、食糧が足りないわけではないのだ。ただ「豊かさ」が特定の人に(注5)かたよっているだけ。そして「必要」が満たされない一方で、「無駄」が生じている。そこまでは、ちょっと考えればすぐわかることだ。しかし、現実に一体どれくらいのかたよりが存在しているのかを知りたい。 ( ④ ) 、世界的な環境問題の最新資料に詳しい、もと毎日新聞論説委员の高榎(たかぎ)さんを訪ねてみた。高榎さんは、ジュニア新書『地球の未来はショッキング!』の著者でもある。
地球上でのエネルギー消費のかたよりを知りたいんです、というと、高榎さんはさっそく英語の資料を見せてくれた。「これなんかは面白い記事ですよ」と一番最初に見せてくれたのが、アメリカの新聞ニューヨークタイムズ。「牛たちの悩みごと一豊かな暮らしの象徴(しょうちょう)がついに地球の問題リストにのぼってきた」というタイトルだ。「アメリカ人がその蛋白源(たんぱくげん)として頼っている家畜牛(かちくぎゅう)が、環境にどのくらい大きな影響を与えようとしているかといった話なんです」。記事についている(注6)イラストがなかなか笑える。ひとつは、裁判所(さいばんしょ)の被告席に座らされた一頭の牛が検察官(けんさつかん)にこう責められている。「さてそれでは、君が人間のためにどんないいことをしているのか、正確に述べてみよ」と。そしてもう一つは、二頭の牛が出てきて、(注7)あぐらをかいて(注8)ヨガをしているヒルダという牛に、もう一頭が「彼らは、(注9)ヨーグルトを欲しがっているんだよ。⑤ヒルダ、ねえヒルダ、ヨガじやないよ、ヨーグルトだよ」と言っている(注 10)皮肉ひにく)たっぷりのイラスト。
(槌田 助『地球をこわさない生き方の本』(岩波書店)より)
(注1)キャンペーン:ある特定の問題についての啓蒙宣伝活動。
(注2)ギリギリ:極限状態
(注3)ユニセフ:(United Nations Children's Fund) 国連児童基金。
(注4)シール:装飾などに用いる、絵やマークなどが印刷された紙片。
(注5)かたよる:一方に傾く。不公平になる。
(注6)イラスト:イラストレーションの略。見て楽しく誇張•変形した絵。
(注7)あぐらをかく:足を組んで座ること。胡坐。
(注8)ヨガ:古代から伝わるインドの修練法。現在では健康法としても行われる。
(注9)ヨーグルト:牛乳•羊乳などを乳酸発酵によって凝固させた食品。
(注 10)皮肉(ひにく):遠まわしの非難。風刺。
問1 ( ① )に入る適当な語はどれか。
1 貧しさ 2 豊かさ 3 飢餓 4 飽食
問2 ②「私たち日本人の食生活といえば」とあるが、日本人の食生活はどのようなものだと筆者は述べているか。
1 「豊かさ」が特定の人にかたよった状態
2 お腹がいっぱいで、もう食べられない状態
3 お腹を空かせ、ギリギリのところで生きている状態
4 飽食の極みで、 「無駄」が生じている状態
問3 ③「私たちは食に関して、ものすごく鈍感になっている。」とあるが、それはどういうことを言っているか。
1 食べ物の味がわからなくなっている。
2 食べ物の大切さを忘れ、浪費している。
3 自分で作って食べることをしなくなった。
4 おいしいものしか食べなくなった。
問4 ( ④ )に入る適当な語はどれか。
1 しかし 2 だから
3 一方で 4 そこで
問5 ⑤ 「「ヒルダ、ねえヒルダ、 ヨガじやないよ、 ヨーグルトだよ」 と言っている皮肉たっぷりのイラスト」とあるが、どこが「皮肉たっぷり」なのか。
1 人間でもない牛のヒルダが、健康のためにヨガをしていること。
2 やがて食べられる運命であることを、牛のヒルダが知らないこと。
3 人間が求めているのはタンパク源としての牛で、ヒルダの健康ではないこと。
4 人間たちが飽食の裏で、自分の健康を心配してヨガをしていること。
問6 筆者がこの文章で一番主張したいことは何か。
1 もう一度、飢餓(きが)のアフリカの子どもたちを救うキャンペーンをしよう。
2 一人一人が食べ物を無駄にしないで、残らず食べよう。
3 この地球の「豊かさ」のかたよりを正して、共に生きる世界をつくろう。
4 どれくらいエネルギー消費のかたよりが存在しているのかを学ぼう。
正解:
問1:3
問2:4
問3:2
問4:4
問5:3
問6:3
<解 説>
問1:後ろの「今でも世界のどこかで、お腹を空かせ……」という文に続く点に注意。
問2:3は明らかな間違い。1は日本人の食生活に関する内容ではない。日本の食生活の説明として2と4のどちらが適切だろうか。
問3:まだ食べられるものでも捨てる社会、お金さえ払えば何でも食べ物が買えると考えている社会は、何に対して鈍感なのか。
問4:前と後ろの文の関係から、2「そこで」か4「だから」だとわかる。 「だから」は意志や判断を強調する文脉で使われるので、もう起こったことを客観的に話すときには使いにくい。なお、「そこで」は「前に述べた事柄が原因•前提となって」という意味を表し、「それで」と同様に事態の客観説明に多く用いられる。
問5:1か3が残るが、記事のタイトルにも注目しよう。牛に対する皮肉ではなく、人間に対する皮肉なので、1ではない。
問6:文章全体を通して流れるテーマは、<「豊かさ」のかたより>であり、このかたよりを読者に知らせることで、何を提起しているのかを考える。
以上就是日语能力日语能力考N2读解练习63的相关内容,阅读没有更好的办法,基本知识掌握牢固的前提下要多做练习,把握做题规律,祝各考生取得一个好成绩。
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