ベトナム戦争の取材体験に基づく開高健の小説「輝ける闇」は、表題から意表を突く。ドイツの哲学者、ハイデガーの評言を引いたそうだが、読まずして鮮烈な緊張感に包まれる。常識の裏をかいた「逆さまの形容」は、多用は禁物ながら便利な修辞である
▼开高健以越南战争的采访经历为背景，创作了小说《暗辉》，这个书名出人意料。据说是引用了德国哲学家海德格尔的评语。不用读文章就能体会到强烈的紧张感。这种违背常识的“逆向表达”，尽管不宜多用却是很贴切的修辞。
▼〈マイナス100度の太陽みたいに/身体(からだ)を湿らす恋をして……〉。桑田佳祐さんの佳曲「真夏の果実」の詞が胸に残るのも、灼熱(しゃくねつ)カラリであるべき日輪を、しっぽり冷涼に描いた技の冴(さ)えだろう
▼〈仿佛是零下100度的太阳/湿透了身体彼此的相恋……〉。这是由桑田佳佑创作的佳曲“真夏果实”，歌词久久在我脑海中回荡，他用内敛冷清的手法精湛地描写了原本灼热炽烈的红日。
▼「太陽まもなく冬眠?」の本紙記事に、ひんやりと不安を覚えた。国立天文台によると、太陽の活動に異変が生じ、地球が「低温期」に入るかもしれない。万物のエネルギー源だけに気がかりだ
▼“太阳在不久之后会进入冬眠期吗?”面对本报的这则报道，让人有一种寒寒的不安。据国家天文台的观测，太阳活动将发生异变，地球有可能进入“低温期”。人们对于这个万物的能量源很是担心。
▼太陽には南北に磁場の極があり、ほぼ11年の周期で正負が同時に入れ替わる。ところが、北極の反転が1年ほど先行し、活動低下の兆しがあるそうだ。磁場に連動する黒点の現れ方も、17世紀後半に始まった低温期に似ているらしい
▼在太阳南北两极有两个磁场，大约11年的周期正负极同时更替。然而，北极磁场的反转提前了一年，据说这是活动力下降的先兆。而磁场连动黑点出现的方式也和17世纪后半期低温期开始的时候颇为相似。
▼往時の異変を、各国の古文書がとどめている。ロンドンのテムズ川が凍り、京都では桜の開花が遅れた。凶作や飢饉(ききん)の多発は、政治や経済を揺るがした。低温期は約70年続いたという
▼此前的异变在各国的古书中都有记载。其中有伦敦的泰晤士河结冰，京都樱花花期的延迟。歉收和饥荒的频发，导致政治和经济动摇。据说这段低温期大约持续了70年。
▼過日の小欄で触れた氷河期に比べ、太陽活動の盛衰はずっと短い周期で繰り返す。前者を潮の満ち干とすれば、寄せては返す波だろうか。温暖化のさなか、「冷たい太陽」は「良い衰弱」かもしれない。だからといって、省エネの手を緩める「悪い安心」には浸れない。
▼和往日本栏目中表述过的冰河期相比，太阳活动盛衰往复的周期要短得多。如果把前者比作是潮水的涨落，那后者也只能算是波浪的起伏了。在温室效应加剧的今天，“变冷的太阳”或是一场“良性的衰弱”，但我们并不能沉浸在放缓节能的“盲目安心”之中。
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