次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。答えは、1、2、3、4から最も適なものを一つ選びなさい。
「人間にとっていちばん大切なものは?」と寻ねれば、多くの人が生命(せいめい)だと答えるでしょう。それでは、その次に大事なものは、いったい何でしょうか。昔の人のことばに「一眼二足」というのがあります。まず目が大切、足がこれに次(つ)ぐという意味ですが、これはあくまで体のこと。 ( ① ) 、人間が人間らしく生きるのに、もっとも大きな働きをするのは、ことばではないでしょうか。
人は、 ことばを使いこなすことによって、 動物がもたない「文化」を築(きず)いてきました。 人が動物と異なるのは、ことば、火、道具の三つを使うからだと言われますが、なかでも、 ことばはもっとも大きなものと言えるでしょう。 「人間は考える葦(あし)である」と言われますが、その前に、まず、「ことばを用(もち)いる葦(あし)である」と言うことができるはずです。けれども私たち日本人は、歌をつくったり詠(よ)んだりするなかで、独自のことば文化を生み出してはきましたが、②自分のことばをはっきりと意識し、それに誇りをもつことは、ほとんどありませんでした。長い(注1)鎖国(さこく)の間、よその国の人との接触(せっしょく)がなく、したがって外国語に接する機会もなく、母語だけの世界で生きてきたためとも言えるでしょう。
「ことば」というと、英語をはじめ、外国語を思い浮かべがちですが、私たち日本人にとっての「ことば」とは、言うまでもなく「日本語」です。さまぎまな国の人々やことばが入り込み、日本の文化のなかに定着を始めている今、私たちはまず、 ( ③ )を改めて「ことば」として意識することが必要なのではないでしょうか。
人は、この世に生まれたその瞬間から、ことばのなかで生きていかなくてはなりません。④一人前の人間になるための第一歩は言葉の習得から始まります。つまり、こどもを育てるには、何よりもまず、言葉を教えなくてはいけないということです。
こどもにとって、生まれてはじめてのことばは、母親のことばです。母親は、こどもにとってはじめてのことばの先生です。母親は、ただ、( ⑤ )だけでよいのです。生まれたらなるべく早く、その日のうちに、母親の声を聞かせるがの望ましいと言われています。しかし、その先生が、もしもことばをきちんと話さなければどうなるでしょうか。きちんとした日本語が話せないとしたらどうなるでしょうか。人間のことばの文化が、世代を越えて伝わらないことになってしまいます。これは、たいへんなことです。
このはじめのことばのことを、 私は「母乳語」と呼んでいます。赤ん坊が母乳だけで、体がどんどん成長していくのと同じように、こどもの内面は、母乳語だけで育ってい きます。母乳が体の(注2)糧(かて)なら、母乳語は心の糧というわけです。母親のことばだけで、 こどもの心はどんどん発達していきます。
(外山滋比古『わが子に伝える 「絶対語感」』(飛鳥新社)より)
(注1)鎖国(さこく):外国との通商•交易を禁止すること
(注2)糧(かて):食糧。活動の元になる力。
問1 ( ① )に入る適当な語はどれか。
1 もちろん 2 むしろ
3 ついに 4 じつは
問2 ②「自分のことばをはっきりと意識し、それに誇りをもつことは、ほとんどありませんでした」とあるが、筆者は何が原因だと考えているか。
1 母親がきちんとしたことばを話せなくなったから。
2 日本語にはさまざまな国の言葉が入り込んでいるから。
3 日本人はもともと言葉を大切にする気持ちが弱いから。
4 鎖国のため、長い間ほかの国の人やその言語との接触がなかったから。
問3 ( ③ )に入る適当な語はどれか。
1 日本語 2 英語
3 外国語 4 母乳語
問4 ④「一人前の人間になるための第一歩は言葉の習得から始まります」とあるが、それはなぜか。
1 こどもの心はことばによって成長していくものだから。
2 人が動物と異なるのは、ことば、火、道具の三つを使うことだから。
3 人間が生きていく上で、最も大切なのはことばだから。
4 人間はことばを使って考える動物だから。
問5 ( ⑤ )に入る適当な文はどれか。
1 赤ん坊にことばを伝える
2 赤ん坊にことばを聞かせる
3 赤ん坊の侧にいてやる
4 赤ん坊を大切に育てる
問6 本文の内容と合っているのはどれか。
1 こどもを育てたり教育するのは、人間だけに与えられた能力である。
2 きちんとした日本語が話せなければ、外国語を習得することもできない。
3 こどもにことばを教えるには、まず親がきちんとした日本語を話せなければならない。
4 赤ちゃんへのことばの教育は、焦らないでゆっくりやる方がいい。
正解:
問1:2
問2:4
問3:1
問4:1
問5:2
問6:3
<解 説>
問1:副詞の問題。ここでは「目も足も大切、しかし、どちらかといえば~の方が~」とつながっている。
問2:すぐ後ろの文に理由が書いてある。一般に論述文は、意見ー理由ー例示と進むことを知っておくと読解にも便利。
問3: 「外国語」との対比で、「日本語」が自然となる。
問4: 「一人前の人間になるため」とあるので、こどもの成長に焦点がある。2~4は人一般について触れた内容なので、論点がずれている。
問5 こどもにことばを教えるときどうすればいいか。後ろに続いている文の内容から、何は一番適切か考える。なお、1の「ことばを伝える」はことばを教える方法を述べていない。3、4はことばを教えることと直接関係していない。
問6 筆者は「生まれたらなるべく早く」と述べているので、4は明らかな間違い。1、2は内容の本文中のどこにも触れられていない。
以上就是日语能力日语能力考N2读解练习52的相关内容,阅读没有更好的办法,基本知识掌握牢固的前提下要多做练习,把握做题规律,祝各考生取得一个好成绩。
您还有可能关注: